2013年8月15日木曜日

ハエンのムーア娘たち Las Morillas De Jaén について

演奏する曲たちの紹介第3弾です。


LAS MORILLAS DE JAÉN

Tres morillas me enamoran
en Jaén:
Axa y Fátima y Marién.
Tres morillas tan garridas
iban a cogar olivas,
en Jaén:
Axa y Fátima y Marién.
Y hallábanlas cogidas
y tornaban desmaidas
y las colores perdidas
en Jaén:
Axa y Fátima y Marien.

Tres morillas tan lozanas,
tres morillas tan lozanas
iban a coger manzanas
a Jaén:
Axa y Fátima y Marien
Díjeles ─¿Quién sois, señoras,
de mi vida robadoras?
─ Cristianas que éramos moras
en Jaén
Axa y Fátima y Marien.
Tres morillas me enamoran
en Jaén:
Axa y Fátima y Marién.



ハエンのムーア娘たち  ~15世紀の民謡

3人のちいさなムーア娘たちが私を誘惑した
ハエンで
アクサ、ファティマ、そしてマリエン
3人の可愛いムーア娘たちは
オリーブの実を摘みに行こうとしていたが
もう摘まれていることに気がついた
アクサ、ファティマ、そしてマリエン
もう摘まれていることに気がついた
彼女たちは泣きながら引き返した
青ざめた顔をして
ハエンで
アクサ、ファティマ、そしてマリエン

3人の元気なムーア娘たちは
3人の元気なムーア娘たちは
リンゴの実を摘みにいこうとしていた
ハエンで
アクサ、ファティマ、そしてマリエン
私は彼女たちに言った「君たちは誰?、お嬢さんたち
私から命を奪うの?」
「わたしたち、ハエンのキリスト教徒よ。
前はムーア人だったけど」
アクサ、ファティマ、そしてマリエン
3人のちいさなムーア娘たちが私を誘惑した
ハエンで
アクサ、ファティマ、そしてマリエン

 (*ハエン…アンダルシアの地名 ムーア人…北アフリカのイスラム人)



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この詩は何かちょっと謎が多いです。

ただのナンパ歌ととることも出来なくはないのですけど、ディテールが結構シビアなものを連想させるので。
あと、メロディーが何だかすごく切ない感じです。

何でオリーブは摘まれていたのか。
アクサ、ファティマ、マリエンって誰なのか
第2連で「私から命を奪う」と訳した所、これはもっと単純にホレた、という意味にとるべきか、あるいは…?


夕顔でスペインを回ったとき、空いた時間でアルハンブラ宮殿の見物に行きました。
アルハンブラ宮殿がどういうものか全然知らなかったのですが、建物じゅう何だかやたら細かい模様がいっぱいありました。
「何だこれは、この空いたスペースをすべて飾り模様で埋め尽くそうとする妙な情熱は。」
と思っていたら、それはイスラム美術だ、と説明を受けました。
何でイスラム美術が?、と思ったら、つまりこのあたりは、昔イスラムだったのが、キリスト教に取って代わられた、だから両方の建築様式が見られるのだ。ということでした。

ほぼ無宗教である現代日本人の私にはあまりよく分からないのですが、しかしおそらく、宗教を変えるよう迫られたり、追い出されたりした民族の葛藤のようなものがあるのでは、と憶測してしまいます。

そうなると、オリーブはイスラムの、リンゴはキリスト教の暗喩かなあ、とか思えてきて、さらに考えてしまうのです。




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